2005 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニング効果を向上させるピッチングマシン開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
17700508
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
神事 努 中京大学, 大学院体育学研究科, 助手 (20387616)
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Keywords | 野球 / 空気力学 / スピン / 投球軌跡 |
Research Abstract |
大学生投手の投球したボールとピッチングマシンによって発射されたボールの回転軸角度、回転数、空気力学的特長を比較した。 投げられたボールの軌跡は同期した4台のカメラで撮影し、DLT法を使って分析した。最小二乗法を使った多項式によって、時間と位置の関係から、それぞれの投球中のボールの座標を導いた。ボール回転軸の算出には、ボールを高速度ビデオカメラで撮影した。ボール回転速度と軸は、ボール表面上に描いたマークの位置変化を利用して算出した。 ピッチングマシンから発射された回転軸角度は、投球方向に対して直角に近い角度で発射されていた。実際の投手は投球方向に対して傾いて投球されていた。空気力学的特徴に関しては、ピッチングマシンから投球されたボールのほうが、投手が投球したボールよりも揚力が大きかった。それは回転軸が投球方向と直角に近い状態で投げ出されるためであり、より大きなマグナス力が発生していたためと考えられた。また、ピッチングマシンのほうが、減速がより大きくなる可能性も見られた。ピッチングマシンは構造上の問題から、回転軸を前傾させることは困難である。投球されたボールの軌道を決定する要因のうち、初速、回転速度、投射角は実際の投手に近い条件で発射可能である。しかし、回転軸は実際の投手に忠実に再現することができず、投球軌跡に影響を与えていることがわかった。 以上の研究をCleveland State Universityで行われた国際バイオメカニクス学会大会(International Society of Biomechanics)にて、「Aerodynamic Characteristics of Baseballs Delivered from a Pitching Machines」という題で発表を行った。
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