2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700510
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田渕 正樹 近畿大学, 医学部, 助手 (20340771)
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Keywords | 運動療法 / 脳卒中 / 高血圧 / 酸化ストレス / 一酸化窒素 / レニンアンジオテンシン系 / 脳卒中モデルラット / 予防医学 |
Research Abstract |
長期自発運動が遺伝的な脳卒中の発症を抑制するかを調べるために,モデル動物として5週齢雄性の悪性脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(Malignant stroke-prone spontaneously hypertensive rats ; M-SHRSP)を用いて,対照群(n=6)のラットは通常ケージに収容した.運動群(n=7)のラットは回転カゴ付きケージに収容し,7週間自発運動させ,以下の知見を得た. 1.実験開始1-3週後に運動群の収縮期血圧が有意に高値を示した.4週後にはこの差が消失し,5週後に運動群で低下傾向を認めた.心拍数に差は認められなかった. 2.脳卒中発症率は,対照群83%に対し,運動群は0%であった. 3.運動群の腎・脳重量は対照群より有意に低値を示した. 4.実験開始6,7週後における尿8-OHdGは運動群が有意に高値を示した. 5.実験終了時における血漿レニン活性は,非運動群に比べ,運動群で53%に抑制され,血漿アルドステロン濃度は,非運動群に比べ,運動群で19%に抑制された. 6.実験終了時における血漿-酸化窒素代謝産物濃度は36%に抑制された. 以上の結果より,長期自発運動は,一時的に血圧の上昇や,酸化ストレスの亢進が観察されたものの,その後のレニンアンジオテンシン系の抑制による血圧上昇抑制と,過剰な一酸化窒素の上昇を抑制することにより,M-SHRSPの脳卒中発症を抑制することが示唆された.
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