2005 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系科学の視点を用いたボールゲームの戦術研究-ブレイヤー間の関係性に着目して-
Project/Area Number |
17700511
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
坂井 和明 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (90247099)
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Keywords | ボールゲーム / 戦術論 / 複雑系 / スポーツ科学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,生物,進化,生態系,環境,経済,組織等の様々な対象の研究に応用されている複雑系科学の概念をボールゲームの戦術を解釈するための基礎理論に導入し,構成要素であるプレイヤーがチームを形成し,システムとして機能する戦術行為の本質的な特性を適切に記述できる戦術研究の一領域を新たに創設することであった. 平成17年度は,理論構築を主な課題とし,以下の5点について検討した. 1.ボールゲームの戦術システムと生命システムとの類似性 2.戦術が効果的に機能している状態の特性 3.戦術の有効性を評価する観察カテゴリーの作成 4.理論としての戦術および戦術行為のタイプ分類 5.プレー状況の種類と用いる戦術のタイプ 理論構築の結果以下のことが明らかになり,ボールゲームの戦術の解釈に複雑系科学とシステム論の視点が適用可能であることを概念的に確立することができた. 1.プレイヤーが構成要素となってチームを形成するボールゲームの戦術行為と,要素が階層的に集まることによって創発的特性が生まれる生命現象と間には類似性がある. 2.戦術が効果的に「機能している」あるいは「機能していない」状態とはどのような状態であるのかを,創発,動的相互作用,動的秩序,自己組織化,引き込み,拘束条件,場,等の複雑系科学の概念を用いて質的に記述することができる. 平成18年度は,平成17年度の理論構築の成果を研究論文として発表すると同時に,2006年FIBAバスケットボール男子世界選手権の戦術分析に応用する.
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