2006 Fiscal Year Annual Research Report
サッカー選手における高強度運動後の血中エネルギー基質の利用に関する検討
Project/Area Number |
17700512
|
Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
大森 一伸 東亜大学, 総合人間・文化学部, 助教授 (20277792)
|
Keywords | サッカー選手 / 間欠運動 / 回復期 / 血中乳酸濃度 / 酸素摂取量 |
Research Abstract |
球技などの運動様式である間欠運動では、超最大運動をインターバルの低強度運動(動的回復)を挟んで繰り返す。従って動的回復期におけるエネルギー供給は、その後に繰り返される超最大運動に影響を及ぼすと考えられる。 本研究では、間欠運動における動的回復期の血中乳酸濃度の除去が、その後繰返される超最大運動のパフォーマンスやエネルギー供給に及ぼす影響について検討した。 大学サッカー選手9名(年齢19.7±1.4歳、身長170.6±9.6cm、体重65.7±8.5kg、体脂肪率20.6±2.5%)を対象とし、120%VO_2max強度で疲労困憊まで続ける超最大運動を、30分間の低強度運動を挟んで2回繰返す実験運動を実施した。実験運動は5%の傾斜でのトレッドミルランニングであった。最大下でのランニングスピードと酸素摂取量の関係式を求め、超最大運動では総酸素借を算出した。同時に総酸素摂取量も測定した。 1回目の高強度運動に対する2回目の運動持続時間(パフォーマンス)、総酸素借、総酸素摂取量の割合は、それぞれ93.7±11.6%、75.2±9.5%、103.4±16.8%であった。このとき、1回目に対する2回目の総酸素摂取量の割合と運動持続時間の割合との間に有意な正の相関関係が認められた(p<0.01)。さらに、低強度運動中の血中乳酸濃度の低下率と、2回目の運動持続時間(p<0.05)および総酸素摂取量(p<0.05)との間にもそれぞれ相関関係が得られた。 以上のことより、間欠運動において動的回復期に血中乳酸を除去(利用)できるほど、引き続きなされる高強度運動中の酸素摂取量を増加させ、そのことが、パフォーマンス低下の抑制に貢献している可能性が示された。
|