2006 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素・高酸素複合トレーニングプログラムの開発と実践
Project/Area Number |
17700520
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
伊藤 穣 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (00360727)
|
Keywords | 低酸素 / 高酸素 / トレーニング / 高強度運動 / 疲労回復 |
Research Abstract |
本研究の目的は,低酸素環境と高酸素環境との組み合わせを用いて,スプリント競技や球技など比較的高強度のスポーツ種目に対して効果的なトレーニング(低酸素・高酸素複合トレーニング)プログラムについて体系的に明らかにすること,およびオリンピック等の国際大会における日本選手のさらなる飛躍に向け,世界に先駆けて実践することである。この目的を達成するため,本研究では,以下の課題を設定している。 【研究課題1】低酸素・高酸素複合トレーニングプログラムの開発 課題1-1 負荷特性の相違の検討 課題1-2 トレーニング効果の検討 課題1-3 個人差の検討 【研究課題2】低酸素・高酸素複合トレーニングプログラムの実践 このうち,平成18年度は,平成17年度に継続して研究課題1-1および1-3について検討した。すなわち,一過性の激しいトレーニングからの回復時に,高酸素環境下に暴露することが生体に及ぼす効果およびその個人差について検討した。具体的には,高圧酸素カプセル(オキシヘルス社製オアシス02)を用いて,自転車エルゴメータでの全力ペダリング(6セット)後における高圧酸素暴露(1.3気圧,20.9%0_2)を実施し,血液検査の結果などから疲労回復へ効果を評価した。なお,測定期間中,被検者は国立スポーツ科学センター内にて生活し,食事内容および身体活動量を同一にコントロールした。その結果,高圧酸素暴露の効果が認められる者とそうでない者との個人差が認められ,さらに詳細な検討の必要性が示された。このことから,平成19年度には,筋バイオプシー法を用いて,運動前後および高圧酸素暴露前後における筋代謝物質の変化について検討するとともに,トレーニング実験により実際のトレーニング効果を検証する予定である。
|