2005 Fiscal Year Annual Research Report
内臓脂肪のオーダーメイド減量プログラム及び効果的なリバウンド防止法の開発
Project/Area Number |
17700521
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大藏 倫博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60396611)
|
Keywords | 内臓脂肪 / 肥満 / 運動 / 食事 / 減量 / 冠危険因子 / リバウンド / オーダーメイド |
Research Abstract |
本研究では、内臓脂肪のオーダーメイド減量プログラム及び効果的なリバウンド防止法を開発するために、当初の計画に基づき検討を進めた。これまでに検討対象とした者は、3ヵ月間の減量介入試験に参加した男性51名(年齢48±11歳、BMI28±3kg/m^2)および女性456名(年齢49±9歳、BMI28±3kg/m^2)であった。3ヵ月間の減量前後に、体重、内臓脂肪面積、収縮期血圧、拡張期血圧、総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロール、空腹時血糖などの冠危険因子を測定・評価した。男性の平均体重は82.0±14.1kgから71.6±9.1kgへと-8.5kg有意に減少し、女性は66.6±9.3kgから58.6±8.6kgへと-7.8kg有意に減少した。また、上記の参加者のうち、リバウンド防止法に関する検討に参加した対象者は114名の女性(年齢46.5±8.0歳,BMI27.6±2.8kg/m^2)であった。3ヵ月間の減量教室期間中には全員が1200kcal/dの食事療法を受け、そのうち79名(69%)は食事療法に加えて1000kcal/wkの運動療法を受けた。本検討部分の対象者全体でみると,3ヵ月間で体重は8.6kg減少し,平均3.6年間で3.9kgリバウンドしたが,減量に伴って改善した内臓脂肪面積,収縮期および拡張期血圧,中性脂肪,空腹時血糖は概ね減量達成時の水準が保たれていた。食事群と食事+運動群の交互作用を検討すると,収縮期血圧の変化が有意水準には達しなかったものの(P=0.057),運動効果の持続する傾向がみられた。一方,内臓脂肪面積は食事群に比べて食事+運動群で有意に増加していた(P<0.01)。その他の心血管疾患リスクの変化に有意な交互作用はみとめられなかったことから,減量介入期間における1000kcal/wk程度の運動療法は長期的な体重管理および心血管疾患リスクに顕著な効果をもたらさないことが示唆された。今後、さらに被験者の数を増やした上で、オーダーメイドプログラムにつながるデータの多変量解析を行なう予定である。
|