2006 Fiscal Year Annual Research Report
内臓脂肪のオーダーメイド減量プログラム及び効果的なリバウンド防止法の開発
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17700521
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大藏 倫博 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (60396611)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 内臓脂肪 / 運動実践 / 食事療法 / ハイリスク肥満 / 減量 |
Research Abstract |
本年度は、メタボリックシンドロームに対する減量の効果を明らかとするために、ハイリスク肥満者に食事療法および運動療法を適用し、肥満関連指標への影響を検討した。対象者は、3ヵ月間の減量介入試験のすべてに参加した女性103名を食事制限(diet : D)群55名(年齢51±8歳、BMI27±3kg/m^2)と食事制限+運動実践群(diet plus exercise : DE)48名(年齢53±9歳、BMI27±2kg/m^2)に割りふった。3ヵ月間の減量前後に、体重、内臓脂肪面積、収縮期血圧、拡張期血圧、総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロール、空腹時血糖(fasting plasma glucose : FPG)、高感度CRP、small dense LDLアディポネクチンなどを測定した。D群の体重は平均6.5kg、DE群の体重は平均7.9kg有意に減少した。これにともない、すべての項目で有意(p<0.05)な減少または改善がみられた。減量前にメタボリックシンドロームを有していた被験者は、D群で55名中12名(22%)であったのに対し、減量後は53名中2名(4%)と大幅に減少した。DE群では減量前が48名中12名(25%)であったのに対し、減量後は46名中4名(9%)へと減少した。また、高感度CRP(対数変換値)の平均値はD群で6.70から6.05へと0.65有意に減少し、DE群では6.09から5.32へと0.77有意に減少した。減量の前・後ともに、体重、BMI、体脂肪量、腹囲、内臓脂肪面積といった形態学的項目は心血管疾患リスクファクターの多くと有意に相関した。変化量同士の検討からは、高感度CRPが体重(r=0.29)、BMI(r=0.28)、体脂肪量(r=0.34)と有意に相関することがわかった。以上より、「食事制限」および「食事制限+運動実践」による14週間の減量介入で、メタボリックシンドロームおよびその構成因子(冠危険因子)に顕著な改善がみられた。しかし、その改善の程度は、「食事制限」および「食事制限+運動実践」の間で顕著な違いはみられなかった。また、減量に伴う高感度CRPの変化量は、体重・BMI・体脂肪量の変化量と有意に相関したことから肥満指標として有用であると考えられた。
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Research Products
(8 results)