2005 Fiscal Year Annual Research Report
女性労働者のためのストレスマネジメント教育プログラムの開発
Project/Area Number |
17700527
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
廣川 空美 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50324299)
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Keywords | 社会系心理学 / ストレス / ジェンダー |
Research Abstract |
性差を視野に入れた職業形態とストレスの関連性についての調査および、心理的教育介入の効果評価に協力してくれる事業場を選定し、基礎調査および、ストレスマネジメント教育の実施を開始した。保健医療機関からの研究参加希望があり、当初計画よりも早く、ストレスマネジメント教育介入を今年度に開始することとなった。 当該保健医療機関の人事・総務・保健担当スタッフから、対象の背景情報の収集と、ストレスに関するニーズについてアセスメントを行った。女性の多い職場という特徴、対人職としてのコミュニケーションの問題が特に職業的なストレスに関連する問題として浮かび上がり、コミュニケーション・スキル訓練を取り入れたストレスマネジメント教育プログラムを設定する必要があると認識した。 調査および教育介入の実施は、同一経営組織である2箇所の保健医療機関を対象に、参加希望者を募った。第1回目の質問紙調査の参加者は102名であった。調査項目は、要求度-コントロールモデル、ストレス・コーピング、ソーシャル・サポート、ストレス反応、作動性・共同性尺度であった。また、心理的教育介入への参加者から希望者を募り、ストレスホルモンのIgAとテストステロンを測定した。 ストレスマネジメント教育については、平成18年2月までに計122名を対象に実施し、教育介入群とした。後半のグループは、平成18年7月までに計120名(予定)を対象に実施する予定で、比較対象群とする。第2回目のアンケートを前半グループの教育介入実施後に行い、現在回収中である。この中間アンケートの結果を元に教育効果の評価を行うこととした。実施したプログラムの内容は、ストレスについての知識、リラクゼーション訓練、コミュニケーション・スキル訓練で、1回の所要時間は3時間であった。平成18年8月から9月までには、前半グループのストレスマネジメント教育の長期効果の評価および、後半グループの教育効果を測定するため、第3回目のアンケート調査を実施する予定である。 ストレスマネジメント教育介入後の自由記述による感想から、参加者の満足度が高く、本ストレスマネジメント教育プログラムが対象者のニーズに合っていたという認識を得た。調査、介入研究全般の手続きについては、岡山大学倫理委員会の承認を得た。
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