2006 Fiscal Year Annual Research Report
女性労働者のためのストレスマネジメント教育プログラムの開発
Project/Area Number |
17700527
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
廣川 空美 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50324299)
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Keywords | 社会系心理学 / ストレス / ジェンダー |
Research Abstract |
1.職業形態とストレスとの関連性の検証 1-1)既存の労働者の追跡調査データを解析し、職種や教育歴の違いと健康、職業性ストレスと健康との関連性を分析し、それぞれ論文として発表した。追跡調査データの結果では、男性には職種による健康への影響が強く、職業に就いていない男性の死亡率が高いことが分かった。また、女性にとっては職種よりも教育歴による健康への影響が強く、教育歴の低い女性の死亡率が高いことが分かった。さらに、男性の方が女性よりも職業性ストレスと健康との関連性が強いことも分かった。一方、職業に従事している女性の方が、育児によるストレスを低減させることが明確になり、女性の仕事とストレスとの関係を明確にするためには、職業性ストレスだけでなく、家庭のストレスも考慮する必要があることが分かった。 1-2)平成17年度に実施した、事業場の労働者を対象とした、職業性ストレス、抑うつ感、心理ストレス、性役割意識、その他の心理尺度を用いた調査データの解析を現在行っているところである。テストステロン濃度と性役割意識との関連性を見たところ、男性にのみ有意な関連性が認められたが、解析対象者の人数が71名と少なかった。平成19年度はさらに解析対象者を増やし、テストステロン濃度と性役割意識、心理尺度との関連性を検討する予定である。 1-3)平成17年度に実施したストレスマネジメント教育プログラムについて、待機グループへの実施が完了した。現在は介入評価のデータ入力が終了し、平成19年度にその効果評価の分析を進めていく予定である。また、ストレスマネジメント教育プログラムの効果評価の一環として行った、リラクセーション訓練のストレスホルモン(IgA)への影響については、訓練を行ったグループが対照群に比べ有意に上昇し、免疫力を高める効果が示唆され、この結果を論文にまとめ発表した。 2.職場のメンタルヘルス対策の考案および女性のためのストレスマネジメント教育プログラムのマニュアル作成: 平成19年度には、上記の調査の分析をすすめ、作成したストレスモデルを参考に、女性の労働者に必要と思われる職場のメンタルヘルス対策を考案するとともに、女性のためのストレスマネジメント教育プログラムのマニュアルを完成させる予定である。
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