2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700528
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
奥村 仙示 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (30322259)
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Keywords | 栄養学 / 肝硬変 / LES / 臨床栄養 |
Research Abstract |
肝硬変患者は肝臓のグリコーゲン蓄積が障害されるため夕食後から一晩の絶食でも飢餓に陥り、内因性の脂肪や筋肉をエネルギー源として利用する蛋白エネルギー栄養不良、肝実質障害からのインスリン抵抗性による耐糖能障害が報告されている。そこで、child-pugh gradeAの肝硬変患者21名に対し、約200kcalのおにぎりを用いた夜食(LES)を1週間行うことで、呼吸商(RQ)は0.723±0.063から0.780±0.063へ有意に改善した。%REE(REE/BEEx100)は有意な変化は見られなかった。血糖値は103±21mg/dlから115±48mg/dlへと上昇傾向であったが有意差はなかった。遊離脂肪酸濃度は541±167μEq/lから426±182μEq/lに低下傾向を示した。1日の食事量の10%に相当する約200kcalのLESは早朝空腹時の高血糖を示さない症例において、LESによる血糖値の異常を示すことなく早朝空腹時のグリコーゲンの蓄積不足から起こるRQの低下を改善した。 肝硬変1症例のLESの内容(kcal)と血糖値(mg/dl)の関係は、LESなし(0kcal)-69mg/dl、大福2個(300kcal)-100mg、チョコレート1枚(379kcal)-120mg/dlであった。LESは代謝改善効果だけでなく早朝空腹時の低血糖改善に対しても有効であったが、LESを多くとることで早朝空腹時の血糖値は上昇する傾向であった。 以上より、肝硬変患者に対するLESは糖質を中心とした200kcalで有意に代謝を改善することが示唆された。
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