2005 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防のための食物繊維の機能性および腸内細菌の多様性に関する研究
Project/Area Number |
17700531
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
清水 純 城西大学, 薬学部, 助手 (70297597)
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Keywords | 生活習慣病 / 食物繊維 / DNAマイクロアレイ / 腸内細菌 |
Research Abstract |
食物繊維(DF)を生活習慣病予防の観点から評価するため、実験動物に代表的な食物繊維を投与し、生理機能を見た。披検動物として8週齢のC57BL/6J雄性マウスを4群に分け、対照群に(1)無繊維飼料(FF)を、実験群にはDF源としてセルロース(CP),(3)ペクチン(PE),(4)セルロース:ペクチン(1:1)(MIX)をそれぞれ5%含む精製飼料を投与した。飼育開始前にマウス床敷の摂食防止策を検討し、金属製底網(開き6mm,高さ26mm)のを作成,使用した。4週間の飼育後、肝臓および大腸の一部を摘出し、total RNAの抽出を行った。DNA microarray解析は、CodeLink^<TM> Expression Bioarray System(Amersham Biosciences社)を用いた。遺伝子発現はFF群の発現強度を基準として、各実験群の相対値が2倍以上を発現上昇、1/2以下を発現低下と判断した。盲腸内細菌の構成は内容物から抽出したDNAの16S rDNA領域をPCR法により増幅後、制限酵素Hha I及びMsp Iを用いて処理し、ターミナル-RFLP法による解析を行った。体重はPE群で低下傾向を示したが、解剖時体重には有意差は認められなかった。肝臓重量はCP群が他の3群に比べ有意に増加していたが、脾臓重量には各群間で有意差は認められなかった。盲腸重量はFF群に対してPE群とMIX群で有意な増加が見られた。DNA microarrayにより検出された肝臓遺伝子の総数は、21,741個であり、FF群とDF投与の3群を比較すると、発現上昇遺伝子は839-908個であり、有機酸輸送に関連する遺伝子が見られた。逆に1/2以下に発現低下遺伝子は、1,193-1,371個であり、FF群に比べDF投与の3群で発現低下遺伝子が多く見られた。特に代謝面では脂肪酸合成を促進するsterol regulatory element-binding protein-1(SREBP-1)がDF群で低下したのに対して、コレステロール代謝に関わるSREBP-2には変化が見られず、コレステロール合成関連遺伝子にも変動は認められなかった。現在、大腸のDNA microarrayおよび盲腸内細菌の構成について、データを解析中である。
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