2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への筋力トレーニングを加味した有酸素運動が体力や酸化ストレスに及ぼす効果
Project/Area Number |
17700537
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
太田 雅規 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (70341526)
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Keywords | 有酸素運動 / 筋力トレーニング / ステップ運動 / 酸化ストレス / フィジカルフィットネス / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は高齢者を対象に、有酸素能力の向上と筋力向上にも効果的と考えられるステップ台を用いた新たな運動とウォーキングや自転車エルゴメーター等の従来型の有酸素運動との比較をフィジカルフィットネス及び酸化ストレスに着目して行うことを目的とした。 従来型(n=32)、ステップ運動(n=12)、コントロール(非運動群:n=9)の3群で12週間の介入効果の違いを検証した。運動指導を受けた両群とも、収縮期血圧、体脂肪率、全身持久性の指標である最大酸素摂取量において有意な改善を認めた。また、ステップ運動群でのみ、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、HbA1c、BMI、脈波伝播速度において有意な改善を認めた。一方、拡張期血圧、ウエスト周囲径(臍部)、酸化ストレスの指標である血漿中TBARS (thobarbituric acid-reactive substances)については、従来型の群のみ有意な改善を認めた。 分散分析を用いて3群間について介入前後の変化率を比較したところ、糖代謝に関する項目の空腹時血糖及びHbA1c、体脂肪率、動脈硬化度を示す脈波伝播速度、体力要素の一つ平衡性において、従来型の運動指導を中心とした生活習慣修正指導よりも、ステップ運動群の改善率が有意に高かった。酸化ストレスの指標である血漿中TBARS、血漿中亜硝酸/硝酸(nitric oxideの最終代謝物)の変化については、3群間で有意な差を認めなかった。 今後対象人数を増やすとともに、その他の酸化ストレスの指標として、尿中の8-OHdGや血漿中Nitrotyrosine、抗酸化防御系のextracellular superoxide dismutaseについて現在測定を継続している。これら測定結果を用いて総合的に運動の種類と酸化ストレスの指標との関連を検証する。
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