2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への筋力トレーニングを加味した有酸素運動が体力や酸化ストレスに及ぼす効果
Project/Area Number |
17700537
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
太田 雅規 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (70341526)
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Keywords | 有酸素運動 / 筋カトレーニング / ステップ運動 / 酸化ストレス / フィジカルフィットネス / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は高齢者を対象に、有酸素能力と筋力の向上に効果的と考えられるステップ台を用いた新たな運動(ステップ運動)とウォーキングや自動車エルゴメーター等の有酸素運動と栄養指導からなる生活習慣修正指導(従来型)との比較をフィジカルフィットネス及び酸化ストレスに着目して行うことを目的とし、昨年度の報告よりも対象人数を増やし、酸化ストレスに対する指標も追加して検証を行った。ステップ運動(n=31)、従来型(n=39)、コントロール(非運動群;n=31)の3群で12週間の介入効果を見たところ、ステップ運動も従来型もいずれも体脂肪率と最大酸素摂取量の有意な改善を認めた。BMIおよびレプチンは、ステップ運動でのみ改善を認めたが、血圧の有意な低下はステップ運動では見られなかった.酸化ストレスの指標では、血漿中TBARS(thiobarbituric acid-reactive substances)が全ての群で有意な低下を認め、尿中8-OHdGは従来型で低下する傾向を認め、尿中8-isoprostaneについては従来型と非運動群で有意な低下を認めた。介入効果の違いを検証したところ、拡張期血圧と尿中8-OHdGについては従来型においてより効果が大きく、BMI、レプチンについてはステップ運動においてより効果が大きかった。血漿中TBARSは全群低下したが、ステップ運動が最も低下が大きかった。有酸素運動と栄養指導による従来型の生活習慣修正指導は、降圧効果と尿中の酸化ストレス指標に軽減効果を示した。一方、有酸素能力と筋力の向上が期待できるステップ運動は、血液中の脂質過酸化の指標を大きく軽減し、肥満ホルモンであるレプチンの低下に対する効果を示した。降圧効果や減量効果の違い、酸化ストレス指標における効果の違いがどのようなメカニズムで起こっているのか抗酸化防御系を中心とした更なる検証が必要である。
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