2005 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疲労と抑うつの個人差を規定する遺伝子と神経・内分泌系パラメータの解析
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17700540
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 秀紹 福井工業高等専門学校, 一般科目教室自然科学系, 助教授 (40280383)
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Keywords | 青年期 / 疲労自覚症状 / ストレッサー / ロジスティック回帰分析 / 生活習慣 |
Research Abstract |
本研究の目的は慢性疲労および抑うつと関連する内因性修飾因子を明らかにするために,慢性疲労,抑うつおよび疲労自覚症状と環境要因(生活習慣等)との関係を検討することである.平成17年度は下記のデータ解析及び成果発表と今後の調査研究の計画立案を行った. 福井県の全ての高校に調査を依頼し,3105名中有効回答2944名の資料を得た.調査における質問紙は基本属性と疲労自覚症状(SF),生活ストレッサー(Str)および生活習慣等の質問内容から構成された.疲労自覚症状の調査は青年用疲労自覚症状尺度SFS-Yを利用した.生活ストレッサーは,ADES-20によって評価した.生活習慣はBreslowの健康習慣に基づき調査項目を選択した.慢性疲労の徴候については厚生省CFS調査研究班によるCFSの診断基準「PS(Performance Status)による疲労・倦怠の程度」に基づき,ここ半年間の状態について自己評価させ,2群(CF群とNCF群:徴候の有無)に分類した, PSを基準変数,疲労自覚症状,生活ストレッサーおよび生活習慣を説明変数とするロジスティック回帰分析を行った結果,男子では身体違和感(SF)と友人(Str),女子では活力低下(SF)と教師(Str)に有意性が認められた.ロジスティック回帰分析において,男女のいずれもおいても生活習慣に有意性は認められず,慢性疲労のリスクにはなりえないと推測される.CF群とNCF群間平均値差の検定結果において統計的な有意差が認められた項目であっても,単独では実質的なリスク要因としての条件を備えるものではないかもしれない. 以上のことから慢性疲労に対する生活習慣の関連は認められないが,疲労自覚症状や生活ストレッサーの観察は慢性疲労の予見に役立つ可能性が示唆された.
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