2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700544
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (50379525)
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Keywords | 住環境 / 室内温熱環境 / 住まい方 / 個人差 |
Research Abstract |
これまで提案されている室内温熱環境の快適範囲は、平均的な人や全体の約80%の人を対象とした範囲であり、残り20%は考慮されていない。しかし、その考慮されていない20%の人には高齢者や冷え性、寒がりなど温熱的に弱者が含まれると考えられ、今後は様々な温熱環境適応特性に応じた快適な室内温熱環境の提案を検討していく必要がある。そこで、本研究では、耐暑耐寒性などの意識や冷え性、暑がり・寒がりなどの特性と住まい方および実際の室内温熱環境を把握することを目的に、住まい方や冷暖房器具の使用実態のアンケート調査および実際に生活している住宅の室内温熱環境の実態調査を実施した。 アンケート調査は、関西に住む女子大学生を対象に実施し、156名から回答を得た。全体の約8割が冷え性(その内、約3割がかなり冷え性)、約7割が暑さに、約8割が寒さに弱い側であり、暑がりあるいは寒がりが各々約2割であった。寒がりの約7割はクーラーが嫌い、約9割がクーラー使用により体が冷えすぎるとし、暑がりの約6割がクーラーを嫌いではなかった。冷え性の約7割と寒さに弱い側の約6割が暖房時に足下が冷えるとした。使用冷暖房器具は、夏は約8割以上がクーラーを使用し、扇風機は5割前後使用していた。冬は約6割がエアコン、約4割がこたつ、約3割がホットカーペットであり、ファンヒーターおよびストーブの使用は2割弱であった。冷え性と寒さに弱い、寒がりは冬にエアコン、こたつ、ホットカーペット、石油ストーブを使用する割合が高い傾向を示した。 実態調査は、夏と冬に各住宅にて1週間に渡り室内温熱環境の測定および生活行動調査を実施した。夏は4邸、冬は7邸を調査した。その結果、夏はクーラー、冬はエアコンの使用が最も多く、夏も冬も床上10cmの室温が低く、室内の上下温度分布が大きかった。
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