2005 Fiscal Year Annual Research Report
要介護認定基準の決定要因とその根拠となるデータ分析に基づく新基準の提案
Project/Area Number |
17700555
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
松田 文子 (財)労働科学研究所, 研究部, 特別研究員 (40399340)
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Keywords | 介護労働 / 介護認定 / 作業負担 / 職場改善 / 人間工学 |
Research Abstract |
近年、法改正も含め介護に関する問題は多くの研究によって取り組まれているが、その方向は、財政面や被介護者に対するサービスの在り方に関することが中心であり、介護労働従事者側から見た労働負担や安全といった、介護する側からの見方はあまり関心が持たれていない。本研究は、介護者側の作業負担感を、充分に配慮して、介護作業を検討するという視点から、介護労働従事者の行動観察記録に基づき、被介護者に対して提供される実際の介護労働の種類と量について、介護者の経験年数,スキルなどの違いによる個人差、介護者の自覚的な作業負担感などについて調査を行い、新たな介護区分の在り方を検討することを目指す。 認知症高齢者を受け入れているグループホーム(群馬県高崎市)、家事援助および身体介護を行うホームヘルプサービス(埼玉県さいたま市)、レクリエーションやリハビリなどを行うデイサービス(埼玉県さいたま市)において、介護労働従事者の労働負担を捉えるために、現場観察調査、ヒアリング調査、健康度調査、自覚症調査、身体疲労部位調査を実施した。 結果、3つのフィールドで共通している点は、介護労働従事者は、日々の介護サービスを行う際には、個々の被介護者に認定されている要介護度の程度をほとんど意識していないという点であった。介護労働の負担感は、被介護者の要介護度とは関連しておらず、介護者の経験年数や体力などによって、負担となっている内容やその程度も異なることが明らかになった。また、精神的な負担が理解されにくい点や給与面および昇進面などを含む待遇の点に対する不安などが介護業界における継続的な就業に対する消極さを招く点も確認された。
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Research Products
(1 results)