2005 Fiscal Year Annual Research Report
学校・家庭・地域が連携した子どもの食育プログラムの構築
Project/Area Number |
17700557
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
齋藤 尚子 弘前大学, 教育学部, 講師 (70361003)
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Keywords | 食教育 / 食生活 / 学校教育 / 栄養教諭 |
Research Abstract |
1.家庭科学習が子どもの食意識・食行動へ及ぼす影響 家庭科の授業内容および年間授業計画が、子どもの食意識や食行動にどのような影響を及ぼすかについて調査を行った。家庭科を初めて学習する小学生では、特に授業の影響が大きく表れると考え、A小学校5、6年生(254名)を調査対象とした。調査時期は、平成17年5月〜6月と平成18年3月の2回実施した。 6月の調査では、弁当についての調査を行い、手作りと市販品の比較、食べたい(選んだ)理由等に焦点を当てた内容とした。その結果、約9割の子どもが食べたい弁当に手作りを選択した。選択の理由では、おいしい、好きなおかずが入っている、という弁当の内容に関するものが多く、特に5年生に多くみられた。一方、3月の調査では、食生活全般の食意識や食行動について調査を行った。こちらは、現在解析中である。この結果と6月の結果を比較検討し、家庭科の授業および年間授業計画との関連性をみていきたいと考える。 2.青森県における学校栄養職員の栄養教諭制度に対する意識について 学校栄養職員による食指導の現状をふまえた上で、将来的な食教育の充実に向けた栄養教諭ならびに学校教育のあり方について分析することを目的として、青森県における栄養教諭免許状取得予定の学校栄養職員(55名)を対象にした調査を行った。調査は、平成17年12月〜平成18年1月に実施した。 平成17年度とそれ以前における食指導の実施者数に差はみられなかったが、平成17年度には年間20回以上実施する者が増加し、学校教育への食教育の浸透が推察された。しかし、学校栄養職員と栄養教諭の「指導内容は大きく変わらない」としながらも栄養教諭による指導は「子どもの学習効果に差が生じる(34名)」ととらえ、「食育を年間指導計画に策定することを望む(37名)」ものが大半であった。さらに、職務に対する意識の分析より、栄養教諭に新たに加わった職務への認識が薄いことが示された。まずは、学校現場および当事者が栄養教諭への理解を深めることが食教育の充実に必要であることが示唆された。
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