2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規加工法による調製茶葉成分を利用した糖尿病予防に関する研究
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17700566
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Research Institution | Siebold University of Nagasaki |
Principal Investigator |
西園 祥子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 助手 (40336970)
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Keywords | 茶葉 / 枇杷茶 / 糖尿病 / 体脂肪 / 肥満 / 中性脂肪 / 血糖値 / インスリン |
Research Abstract |
我々は、番茶生葉と枇杷葉を9:1の割合で混合し、揉捻・発酵させることにより、苦渋みが少なく後味のすっきりとした混合発酵茶葉を開発した。この混合発酵茶葉、番茶生葉あるいは枇杷葉の熱水抽出物を含む食事を2型糖尿病自然発症モデルであるOtsuka Long-Evans Tokushima Fatty(OLETF)ラットに5ヶ月間与え、各熱水抽出物の糖尿病発症抑制および脂質代謝に及ぼす影響を検討した。体重増加量、腎臓および睾丸周辺の脂肪組織重量には全ての群間で差が見られなかった。コントロール食を与えたOLETFラットでは、血糖値が経時的に上昇し、糖尿病を発症したと推察された。枇杷葉を摂取したOLETFラットの血糖値は、経時的に上昇する傾向を示したが、混合発酵茶葉を摂取したOLETFラットの血糖値は上昇せず、OLETFラットの対照で糖尿病を発症しないLong-Evans Tokushima Ostuka (LETO)ラットと同程度の低い値であった。また、2日分毎の平均摂水量は、血糖値と同様の傾向を示した。スクロースを用いた耐糖能試験の結果から、混合発酵茶葉は血糖値上昇遅延効果を有することが示された。血清インスリン濃度は、番茶生葉および枇杷葉摂取の影響は見られなかったが、混合発酵茶葉摂取群でLETOラットと同程度の高い傾向を示した。血清過酸化脂質濃度は、混合発酵茶葉摂取群でのみ低い値を示し、その値はLETOラットと同レベルであった。混合発酵茶葉は血清および肝臓のコレステロール濃度に影響しなかったが、混合発酵茶葉葉摂取OLETFラットでは、血清および肝臓トリグリセリド濃度の著しい低下が観察された。以上の結果より、番茶生葉と枇杷葉の揉捻加工による混合発酵茶葉の熱水抽出物は、番茶生葉や枇杷葉には見られない強い血糖上昇抑制、抗酸化活性ならびに中性脂肪低下作用を発揮することが明かとなった。
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