2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規加工法による調製茶葉成分を利用した糖尿病予防に関する研究
Project/Area Number |
17700566
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西園 祥子 宮崎大学, 産学連携支援センター, 助教授 (40336970)
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Keywords | 番茶葉 / 枇杷葉 / 糖尿病 / 血糖値 / 脂質濃度 / ポリフェノール / 混合発酵茶 |
Research Abstract |
我々は、番茶にビワ葉を加えて、酸化・発酵させることにより、風味が良く、しかも糖尿病予防効果のある混合発酵茶葉の開発に成功した。本研究では、まず混合発酵茶葉の熱水抽出物を1%含むあるいは含まない食餌(コントロール食)を4ヶ月齢雄の2型糖尿病自然発症ラット(OLETF)に4ヶ月間摂食させた。その結果、OLETFラットのコントロール群では、血糖値が経時的に上昇し、糖尿病の発症が確認されたが、混合発酵茶群では、コントロール群と比較していずれの時点においても低い血糖値を示した。さらに、混合発酵茶摂取は、白色脂肪組織重量、血清および肝臓脂質濃度を有意に低下させた。これらの混合発酵茶の効果は、原料である番茶およびビワ茶では認められなかったことから、番茶にビワ葉を加えて、酸化・発酵することにより生成されるプロシアニジン類が影響する可能性が示唆された。 次いで、女子大学生54名を対象として飲用試験を行った。血糖値、血清脂質濃度、体重および体脂肪率の平均値がほぼ同じになるよう2群に分け、200mLの紙パックに充填した混合発酵茶または番茶を朝食時あるいは昼食時のいずれか、および夕食時に各1本の合計2本を毎日、3ヶ月間飲用させた。飲用開始前および1ヶ月毎に血液検査および血圧測定を行った。また、TANITA BODY FAT ANALYZERTBF-102体内脂肪計を用い、体重、脂肪量およびBMIを測定した。興味あることに混合発酵茶は、試験開始前の体脂肪率が25%以上のヒトにおいて、番茶飲用群と比較して、1および3ヶ月後に有意に低い体脂肪率を示した。一方、血液検査値、身体測定ならびに血圧に両群間で有意な差異は認められなかった。以上のように、混合発酵茶は、ラットやヒトにおいて糖および脂質代謝に好ましい影響を与える可能性が示された。
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