2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700587
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
銀島 文 National Institute for Educational Policy Research, 開発部, 学力調査官 (30293327)
|
Keywords | 数学教育 / 数センス |
Research Abstract |
これまでに筆者は,数センスの研究動向分析を実施してきている。それにより,数センスの育成の重要性が十分に議論されている一方,数センスの概念の明確化に不十分さが認められることが明らかとなった。今後,数センス育成の指導法開発を推進するにあたり,数センスの概念構造を明確化することが重要な課題である。本研究では,研究目的を次の三点に設定している。 ・研究目的1:数センスの調査問題,および数センスに関わる教材や問題を収集しデータベースを構築する。 ・研究目的2:数センスの概念構造の視点を導出,整理する。 ・研究目的3:数センス育成に対する示唆を議論し,研究課題を整理する。 本年度は,上述の研究目的1および3に関わって研究を実施した。具体的な内容は,次のとおりである。 (1)前年度に引き続き国内外の調査問題を収集・整理し,その中から数センスに関わるものを整理した。国内の調査としては,平成19年度全国学力・学習状況調査の小学校・算数(小学校6年生対象),中学校・数学(中学校3年生対象)であり,活用に関わる力をみるものである。国外の調査しては,PISA2006の数学的リテラシー(15歳児対象)であり,将来の生活において重要と考えられる技能を焦点化している。 (2)近年の教育に関わる議論において,思考力,判断力,表現力の育成が大きな課題の一つとして挙げられている。数センスを「思考の方法」と言い換える研究者もいることから明らかなように,数センスに関連する数や計算,式の扱いは,これらの課題とも密接に関わるものである。また一方で,PISA調査の焦点にもなっている数学的リテラシーは,その内容から数センスとの関わりを見て取れる。これらの動向をもとに数センスの育成を議論していくことが重要である。
|
Research Products
(3 results)