Research Abstract |
今年度は,主に,簡易式没入型提示システムを使ったコンピュータグラフィックスによる仮想空間の構築を行い,スクリーンの提示方法に関する評価実験を行った. まず,STSP(科学・技術・社会・平和)教材として,長崎に投下された原子爆弾の爆心地の近くにある浦上天主堂をCGで構築した.現在の浦上天主堂は,被爆後に再建されたものである.外壁の画像をテクスチャとして使用し,地面データを地図から引き起こして仮想空間を構築した.続いて,長崎大学医学部附属原爆後遺障害医療研究施設が所有するデータを用いて,原爆投下直後の浦上天主堂を再現した.この作業は,写真データを基に行った.ただし,瓦礫等については,現在のところ,テクスチャを張ってある程度のものとなっている. 次に,仮想空間提示ソフトウェア(CubicWorld)を用いて,仮想空間のプログラミングを行った.本システムを用いることで,CG仮想空間をインタラクティブに移動可能で,かつ3次元立体視が可能になる.仮想空間は,2面スクリーンで3次元立体視するため,4台のPCを同期させて仮想空間をリアプロジェクションシステムに提示された.ネットワークで接続した4台は,1台のサーバマシンによって統括されている,また,デバイス(ゲーム用のコントローラ)の設定もこのソフトウェアを用いて行った.本システムを用いることで,CG仮想空間をインタラクティブに移動可能で,かつ3次元立体視が可能になる.なお,天主堂内部については,撮影禁止のため,構築することができなかった. 一方で,仮想都市を使って,中学生を対象に,スクリーンの提示方法について調査を行った.2面スクリーンは60度から180度まで条件を設定することが可能である.実験の結果,180度条件と比較して90度条件のほうが,都市内の移動肯定をよく把握できることが明らかになった.
|