2005 Fiscal Year Annual Research Report
小・中学校理科における地層観察の実態と実施に向けた取組みに関する研究
Project/Area Number |
17700594
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
三次 徳二 大分大学, 教育福祉科学部, 講師 (10298127)
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Keywords | 理科 / 小・中学校 / 科学教育 / 地学教育 / 地層 |
Research Abstract |
今年度は、地域ごとに小・中学校の地層観察の実施状況、教材内容、地層観察を実施できない理由及び教員の意識の調査を行い、地層観察の実態を明らかにすることを目的として研究を行った。日本列島の地質の違いを考慮した調査地域(北海道北部、北海道中部、秋田県中部、東京都東部、千葉県中部、神奈川県東部、神奈川県西部、京都府中部、兵庫県東部、兵庫県西部、徳島県中部、山口県中部、大分県北部、大分県中部、大分県南部)の中から802校を選び、郵送調査法によってアンケート調査を3月上旬に行った。3月末日現在の回収率は、小学校で約45%、中学校で約60%である。その結果概要を箇条書きで示すと以下の通りである。 1.地層観察を実施している割合は、調査地域全体を平均すると35%程度である。 2.地方の学校は、都市部の学校に比べて地層観察を実施している割合が10%程度高い。 3.小学校の場合、教員の大学時代の専攻と地層観察の実施状況との間に関係は見られない。 4.地層観察の実施場所や指導方法については、同僚の教員や地層に詳しい人から学ぶことが多い。 5.観察する地層としては、砂や泥などの堆積物、堆積岩、火山灰などが中心であったが、変成岩や火成岩の露出地域では、(学習指導要領から外れた)これらの岩石を観察対象としている学校もあった。 6.実施できない理由として、地層を観察する場所や授業時間、交通手段がないことを挙げる教員が多い。 7.これまでの教職経験の中で、一度も地層観察を実施したことがない教員が30%程度いる。 8.研究者に対しては、観察場所の紹介と、ゲストティーチャーとして授業へ参加を挙げる教員が多い。 9.小学校を中心に直接体験を重視する立場から、地層観察はした方が良いという意見を述べた教員の割合が90%程度である。
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