2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際協力における理科教師に対する実験指導力育成アプローチに関する基礎的研究
Project/Area Number |
17700596
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
畑中 敏伸 東邦大学, 理学部, 講師 (30385942)
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Keywords | 国際協力 / 科学教育 / 教師教育 / 実験指導 / 開発途上国 |
Research Abstract |
理科教育研究の文献調査と日本国内で途上国の理科教師の研修を担当している大学教員のインタビューにより、理科教師に実験指導能力育成が必要な背景と関連が高い、開発途上国の理科教育と、理科教師の資質能力の現状に関する解明について研究を行った。 開発途上国の理科教育に関しては文献調査により、科学的リテラシーの達成という理科教育の世界的潮流の影響が開発途上国の理科教育へも影響を与えていること、日常使っている言語と異なる言語により理科が教えられていることから生徒が理科の学習が困難になっていること、教育財政の限られている現状に対応した手作り実験器具使用が必要とされていることが明らかとなった。また、開発途上国で理科を教えることについては、経済発展への寄与、持続的開発、科学技術について知ること、環境への影響を知ること、などの理由から重要視されるということが指摘されており、日本の文脈における理科を教える意義とは異なる視点があることが明らかとなった。また、国際協力事業団が行った開発途上国プロジェクトに関連する報告書の分析より、開発途上国の理科教育の問題を、教員、教授法、カリキュラム・教科書、理数科教育に関わる制度環境、設備、子どもの実態、大学・教員養成、視点から分析した。 理科教師に必要とされる資質能力に関しては、文献調査より、実験器具が整備されていない状況を踏まえ自作の実験器具を作る能力が必要とされていることが先進国の理科教師に必要とされる資質能力と異なる視点であることが明らかとなった。また、インタビューより、開発途上国の開発途上国の理科教師は、授業内容(科学的内容)の理解、授業展開、実験技能などの点において、改善すべき課題を抱えていることが把握できた。
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