2005 Fiscal Year Annual Research Report
情報教育講義を補佐する電子コミュニティ支援システムの構築
Project/Area Number |
17700614
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠沢 佳久 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (80317304)
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Keywords | 情報教育 / e-learning / CSCL / グループウェア / 教育工学 / コミュニティ分析 / ネットワーク分析 |
Research Abstract |
本研究においては,情報教育授業において,教員の介入を必要とせずに,学生が相互に扶助しながら,疑問を解決していくことが可能な電子コミュニティの形成のための支援システムの構築を試みた.本研究の目的の達成のため,解決しなければならない問題点として以下の四点が挙げられる. (1)電子コミュニティ上で,多くの疑問表出させるため,学生間のコミュニティの活性化を促す (2)発言された話題の中から学生が必要とする情報を自動的に抽出し,これを学生に効果的に提示し,共有化を促すインターフェースを提供する (3)教員の回答作業の負担の削減のため,質疑応答からFAQを自動的に構築する (4)蓄積したFAQ及び教員が提供する電子教材から学生の質問に対して自動的に回答を提示する 本年度においてはWWW上の電子掲示板を基礎に(2)および(3)、の機能を備えたシステム(IS-Board)を情報教育授業において運用し,収集したデータをもとに,電子掲示板上でのコミュニティの活性化に必要な要因の分析および活性化を促す機能の考案を試みた.まずスレッド型の電子掲示板上でのコミュニティの特徴をとらえるために,ネットワーク分析を用いて発言者および発言の関係の視覚化を試みた.すなわち発言者とトピックの関係を無向グラフで図示し,ネットワーク図として表現することによって,視覚的に特徴をとらえることを可能とした.その結果,通常のスレッド型の表示形式からだけでは分からなかった学生間のコミュニティの形態やその形成過程および活性化に必要な要因(発言者間の認知度,コアユーザの有無,教員の介入)について明らかにした.そして,コミュニティの活性化の促進のために,定期的に発言を観察しながら,発言状況によって自動的に発言を促す支援機能を考案し,システムの改良を試みた.今後は,次年度に担当する予定の情報教育講義において,提案システムを運用し,さらなるデータの収集および分析を試みる予定である.
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Research Products
(3 results)