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2005 Fiscal Year Annual Research Report

授時暦の数理構造とその注釈者の研究

Research Project

Project/Area Number 17700633
Research InstitutionChubu University

Principal Investigator

小林 博行  中部大学, 人文学部, 助教授 (00293952)

Keywords授時暦 / 暦法 / 天文学史 / 大統暦 / 貞享暦
Research Abstract

この研究で明らかにしたいとした二点のうち、第一点、授時暦の数理構造そのものについては、なお未解明の部分もあるが一通り授時暦全体の検討を終えた。未解明というのは、特定の計算が球面天文学的にみていかなる意味があるのか詳らかでないという意味であるが、ごく最近になって、そのひとつをあつかった論文が発表された。現在はこの論文を精読中であり、来年度は、これも最近出版された授時暦の訳注を参照しながら、本年度の研究結果を再吟味したいと考えている。
第二点、授時暦注釈者それぞれのもつ特徴については、本年度を通じて資料を収集しており、手許に集まった資料の分析に着手したところである。しかし注釈者たちは、それ以前の注釈をどれだけ参考にしているのか判然としない場合が多く、また授時暦経にそって一条ずつ説明する者と、特定の問題について論説する者とがあり、いたずらに読み進めるとかえって混乱することがわかった。来年度は資料収集と平行して、どのような手順をふんで、いかなる形式で分析をすすめるべきかをまず検討することが必要である。
表計算ソフトによる暦計算システムは、試作版はできあがったが、いまのところ授時暦に対応するのみである。これはすこし改良すれば、大統暦、貞享暦にも応用できるはずであり、そうするとそれぞれの時代の実際の暦や歴史記録、もしくは注釈者たちがのこした計算結果など、多くの資料をつかって検証することが可能になると考えられる。実際、予備作業として『明実録』から大統改暦前後の冬至記録をひろい、計算と照合した結果、改暦の前年(洪武16年)のみ冬至が3日ずれていることがわかった。理由は不明だが、元統の改暦上奏と関係があるのかもしれないと考えている。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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