2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17710010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 敦 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 研究院 (00378001)
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Keywords | 二酸化炭素 / 溶解度 / ガス交換 / 海水 / 淡水 / 全炭酸 |
Research Abstract |
(1)今年度は初年度に入手・構築した試料および測定システムを用いて溶解度の測定を開始した。先ず海水と淡水を異なる比率で混合して、様々な塩分、イオン組成の溶液を調製した。溶解度が分かっているコントロールとして、蒸留水も用いた。混合溶液の溶解度を一定水温下(室温。20度)で計測した。計測では、繰り返し精度(precision)は良いが、値の正確さ(Accuracy)が未だ悪く、工夫が必要な事が示唆された。溶解させたC0_2の回収率の低さが原因と考えられるため、回収率を上げるために装置の密閉性を上げるための改良を始めた。 (2)また溶液の二酸化炭素分圧を人為的に変化させて大気との間に分圧差を生じさせ、溶液中二酸化炭素分圧の時間変化をモニターすることで、ガス交換量の溶液毎の変化を計測するシステムについては、ほぽその構築を終えた。ここに(1)の溶解度計測を正確におこなえるようにした溶液を入れてガス交換計測をおこなう事で、溶液の組成が溶解度、ガス交換に及ぼす影響を評価する事が可能になる。 来年度は、上記(1)で挙げた点の改良を完成させ、溶解度の正確な値を得られることを目指す。また得られた結果を溶液の組成の関数としてモデル化し、予測できるようにすることを目指す。(1)を完成後、(2)のガス交換量を異なる溶液ごとに行うことで、水質がガス交換係数に及ぽす影響を定量的に明らかに出来る。また実際の現場で上記のモデルがきちんと予測できるのかを確認するため、淡水と海水が良く混合し、しかも比較的安定した物理・化学環境を持つ中海・宍道湖でのガス交換観測、および採水作業による水質分析を予定している。
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