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2005 Fiscal Year Annual Research Report

霞ヶ浦湖岸植生帯の自然再生工事が水辺の微小動物群集の多様性におよぼす影響評価

Research Project

Project/Area Number 17710026
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

中里 亮治  茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 講師 (30292410)

Keywords霞ケ浦 / 自然再生事業 / 生物多様性 / ユスリカ / 環境影響評価
Research Abstract

湖岸の自然再生工事が実施された霞ヶ浦では,沿岸域の環境が従来の均一な環境からより複雑な環境へ改善された.湖岸の再自然化工事が水辺の微小生物群集の多様性に及ぼす影響評価をするために,水辺の微小動物群集の中でも出現頻度が極めて高く,個体数および現存量での優占種になるハエ目のユスリカ幼虫に特に注目した.
霞ヶ浦における自然再生事業施工区の一つである石岡市石川地区を調査地とし,2005年4月から,2週間に1度の頻度で調査をした。消波堤内の地帯をC地区,消波堤のない地帯をD地区とした。C地区は,ミクリ・ヒメガマ混生帯,消波堤の切れ目にあるヨシ帯、マコモ・ガマ帯および板柵内に6定点を設けた。D地区ではミクリ帯およびヨシ帯の2定点を設けた。各定点では環境要因の測定,底生動物の採集および水草付生物の採集をした。
その結果,堆積物中のユスリカ幼虫の場合,消波堤の有無によってその優占種と個体数密度に違いが見られた。個体数密度は消波堤のない地点で高く,優占していた種はオオミドリユスリカであった。一方,消波堤内の地点ではハイイロユスリカが優占していた。
水草上の付着ユスリカ幼虫の場合,全ての水草でツヤユスリカが優占していた。そのため水草上のユスリカ幼虫の総個体数は,ツヤユスリカ属の個体数の変化に影響を受けていると考えられた。ユスリカ幼虫の平均個体数は,ミクリおよびヨシともに,消波堤のない地点で高い値を示した。水草上のユスリカ幼虫の個体数や種組成は,水草の種類による違いはあまり見られず,環境の違いに大きく影響を受けていた。
湖岸植生帯では水草の存在や緩やかな傾斜およびある程度の流れがあることで,水深や溶存酸素量、底質などの様々な環境要因に変化がみられ,それにともなってユスリカ幼虫の個体数,現存量および種の分布が異なることがわかった。また,波浪の強い場所は,多くのユスリカ幼虫にとって生息しにくい環境であった。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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