2005 Fiscal Year Annual Research Report
テッポウエビ類の発音計数による浅海域環境評価法の実用化に関する研究
Project/Area Number |
17710038
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
渡部 守義 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 助手 (00390477)
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Keywords | モニタリング / テッポウエビ / 浅海域 / 水中音響 |
Research Abstract |
浅海域底層の生物環境の良否を簡易に評価する指標として、世界中の海に生息する特徴的なパルス音を終始発しているテッポウエビに着目した。その一分間あたりの発音回数(パルス数)が環境指標として利用可能であるかを探ってきた。本研究は、これまでの研究を受け、本手法を実用化するための課題を解決し、テッポウエビの発音計数による浅海域生物環境評価法が誰にでも利用可能できるものにすることである。 平成17年度は、パルス計測システムの開発、室内実験のためのテッポウエビの畜養水槽の設置および実験水槽の作製を行い、研究体制を整えることを目的とした。 1.パルス計測システムの開発 周波数フィルターを用いたノイズ除去・精度評価アルゴリズムを完成させ、現地でノートパソコンを用いてチューニングを行う。パルス計測システムは、水中マイクとノートパソコンの構成である。 パルス計測システムの校正のための水中音圧計を購入した。水中音圧計と現在の計測システムで計測される音圧レベルの比較を行った結果、周波数帯により音圧レベルに明らかな差が生じ、現行の計測システムの問題点が新たに生じてきた。現在、計測システムの改良中である。 2.測定条件明確化のための海域調査と室内実験 開発されたパルス計測システムを用い、明石港、二見人工島、加古川河口域でパルス数と溶存酸素濃度、水温などの水質の環境調査を行う。水質調査のためのハンディ多項目水質測定器を購入した。パルス計測システムは完成には至っていないが、現行の機器により定期的に明石市沿岸部5地点でパルス数と水質の観測を実施している。この結果、全ての調査地点でテッポウエビのパルス音を確認することができた。水質との関係についてはデータの蓄積が必要である。 3.既存の環境指標生物との関係の明確化 土木学会、水環境学会を中心に関連する各種研究発表会、技術講演会などへの参加、文献収集を実施している。
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