2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物を用いた放射性ヨウ素の土壌吸着モニタリングシステムの構築
Project/Area Number |
17710043
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
天知 誠吾 千葉大学, 園芸学部, 助手 (80323393)
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Keywords | ヨウ素 / 土壌 / 放射性ヨウ素 / 吸着 / 微生物 / 酵素 / モニタリング / 蓄積 |
Research Abstract |
1.土壌試料からの微生物の分離・同定 ^<125>Iを用いたオートラジオグラフィー法により土壌からヨウ素を蓄積する微生物をスクリーニングしたが、有望な菌株を見出すことはできなかった。そこで次に、土壌中にヨウ素を酸化する微生物が存在するかを確認するため、土壌溶液にヨウ素イオンを添加してインキュベートした。その結果、いくつかの土壌サンプルで分子状ヨウ素の生成が確認された。これらサンプルを希釈後、固体培地に塗抹しヨウ素酸化細菌の分離を試みたが、得られた菌株の中にヨウ素酸化能を持つものは見出せなかった。従って土壌中にはヨウ素酸化微生物が存在するものの、通常の培地には生育しない難培養性微生物と考えられた。 2.ヨウ素の土壌吸着に関与する微生物グループの予測 日本各地より採取した黒ボク土を^<125>Iと共にインキゴベートし、ヨウ素の吸着率に及ぼす各種因子の影響を検討した。まず土壌をオートクレーブ滅菌したところ、全ての土壌でヨウ素の吸着がほぼ完全に阻害された。これに対し、未滅菌土壌(生土)ではインキュベートして1時間後におよそ9割のヨウ素が土壌に吸着した。滅菌土壌に10%の生土を添加すると、非常に遅い速度ではあるがヨウ素の吸着能が復帰した。次に、ヨウ素吸着に貢献する微生物グループを予測するため、生土にバクテリアの阻害剤(streptomycinとtetracycline)またはカビの阻害剤(cycloheximide)を添加したが、いずれの条件でも有意な阻害は認められなかった。一方、生土を嫌気条件や各種還元剤(Na_2S_2O_4、DTT、アスコルビン酸など)の存在下でインキュベートすると、ヨウ素の吸着が顕著に(63〜100%)阻害されることがわかった。以上の結果から、土壌へのヨウ素の吸着には微生物が大きく関与していることが確認された。また、抗生物質の効果がなかったことから、生きて増殖している菌体ではなく、微生物の生産する酵素が重要と考えられた。さらにその酵素は、ヨウ素イオンを酸素または過酸化水素で酸化するオキシダーゼ、パーオキシダーゼと推察された。
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