2005 Fiscal Year Annual Research Report
電離放射線照射によるp53活性化機構におけるMDM2複合体の機能解析
Project/Area Number |
17710045
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河合 秀彦 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30379846)
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Keywords | p53 / MDM2 / MDMX / 電離放射線 / ユビキチン-プロテアソーム |
Research Abstract |
本年度はMDM2ファミリー複合体の構成因子の分離、同定を行う目的で以下のとおり実施した。 1)tagを付与したMDM2ファミリーの遺伝子発現ベクターを構築して、種々の培養細胞に遺伝子導入し、tagged-MDM2ファミリーを発現した細胞株を樹立した。 2)樹立した細胞株でのp53、MDM2、MDMXの電離放射線照射後の動態を調べ、複合体を比較するのに適した照射線量、照射後のタンパク質の回収時間を決定した。MDMXの分解はリン酸化を伴い、電離放射線照射後1時間で生じることから、未照射と照射1時間後の複合体構成タンパク質を比較することとした。MDMXはC-末端にtagを付加した場合、MDMXの分解が抑制される為に、MDM2の量も増加し、p53の活性化が抑制される事も見出された。 3)放射線照射及び未照射細胞から、tagに対する抗体を用いてMDM2ファミリー複合体を免疫沈降により精製、解析を行った。その結果、Myosin heavy chain、BRCA1-binding helicase-like protein1等がMDMX結合タンパク質として同定された。また、放射線照射した細胞のみにおいて、ENX-2が同定された。 4)p53をユビキチン化する際のMDM2及びMDMXのRing-Finger-Domain複合体の機能解析を行う目的でp53にMDM2とMDMXのRing-finger-domainを結合させたキメラタンパク質を構築した。 これらのデータより、最終年度となる来年度は、MDM2ファミリー複合体構成タンパク質の最終的な同定と、更にMDM2ファミリーによるp53の分解機構の解析を行いたい。
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Research Products
(2 results)