2006 Fiscal Year Annual Research Report
電離放射線照射によるp53活性化機構におけるMDM2複合体の機能解析
Project/Area Number |
17710045
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河合 秀彦 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30379846)
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Keywords | p53 / MDM2 / MDMX / 電離放射線 / ユビキチン-プロテアソーム |
Research Abstract |
最終年度である本年度はMDM2ファミリー複合体の機能解析を行う目的で以下のとおり実施した。 1)MDM2ファミリーを発現した細胞株を用いて、放射線照射などによる影響を解析した。その結果、MDM2によって分解されないMDMXやMDMXのRing-Finger-Domain(RFD)のみを発現した細胞では、正常時にpS3の発現の上昇、MDM2量の増加が見られ、放射線などに対しするP53のストレス応答能が著しく低下する傾向が観察された。 2)MDM2-MDMX複合体に結合するタンパク質として14-3-3が同定された。また正常時と放射線照射などのストレス応答におけるMDMXのリン酸化状態に依存して14-3-3に対する結合力が変化する事によって、MDMXの細胞内局在や安定性が制御され、最終的にはP53の制御を行っている可能性が示唆された。 3)ストレス非存在下、存在下におけるP53の機能制御を行うユビキチン化酵素としてのMDM2及びMDMXのRFD複合体の機能解析を行う目的でp53にMDM2とMDMXのRFDを結合させたキメラタンパク質と、MDM2とMDMXのキメラタンパク質を用いてMDM2-MDMX複合体のユビキチシ化酵素としての機能解析を行った。 4)最終的には、MDM2、MDMXまたはMDM2-MDMX複合体のユビキチン化プロテアソーム分解に必要な領域は、MDM2のRFDのみであるのに対し、p53の分解に必要な領域はMDM2のRFDに加えてNDN2のAcidic-Domain及びMDM2-homo又はMDM2-MDMX-heteroのRFD-complexが必要である可能性が示唆された。 以上の結果から、MDM2ファミリーが複合体老して機能し、P53のストレス応答を制御していると考えられる。
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Research Products
(2 results)