2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞における大気浮遊粒子由来物質による突然変異の定量的解析と分子機構の解明
Project/Area Number |
17710047
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川西 優喜 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助手 (70332963)
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Keywords | TLS / DNA複製 / 大気汚染物質 / DNA付加体 / 多環芳香族 / DNA損傷 / 突然変異 |
Research Abstract |
大気浮遊粒子状物質由来のDNA付加体を部位特異的に1箇所もつプラスミドを作製し、ヒト培養細胞内で複製させ、TLSの頻度と突然変異パターンを明らかにすることを目的に実験を実施した。最終的には付加体ごとに付加体1分子あたりのTLS頻度や突然変異誘発率を比較する。今回解析を終えDNA付加体は、化石燃料燃焼で生成しタバコ煙にも含まれ膀胱癌を起こす4-アミノビフェニルの付加体(dG-ABP)である。がん抑制遺伝子p53のコドン248は、膀胱癌で見つかるp53変異のホットスポットであり、またABP付加のホットスポットでもある。コドン248の周辺配列を複した塩基配列上のdG1箇所のみdG-ABPにかえた部位特異的修飾プラスミドをヒト細胞に導入し、生じたTLSの頻度を変異パターンを調べた。 その結果、このdG-ABP修飾プラスミドのTLS率は36%であることがわかった。以前の大腸菌を用いた実験結果から大腸菌でのTLS率は80%であったので、dG-ABPはヒト細胞において強く複製阻害をすることがわかった。またTLSしたプラスミドの塩基配列を調べたところ約5%の娘プラスミドに突然変異が生じていた。変異の内訳は修飾部でのGからTへのトランスパージョンが4、GからCへのトランスパージョンが2、GGからTAへのタンデム置換が1、修飾部の1塩基下流でのGからAへのトランジションが1、修飾部の2塩基下流でのAからCへのトランスパージョンが1個であった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Molecular Evidence of Involvement of Nucleotide Excision Repair (NER) System in Repair of the Mono ADP-ribosylated DNA Adduct Produced by Pierisin-1, an Apoptosis-inducing Protein from Cabbage Butterfly2007
Author(s)
Masanobu Kawanishi, Kazuki Matsukawa, Isao Kuraoka, Takeji Takamura-Enya, Yukari Totsuka, Yasuko Matsumoto, Masahiko Watanabe, Yue Zou, Kiyoji Tanaka, Takashi Sugimura, Keiji Wakabayashi, Takashi Yagi
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Journal Title
Chemical Research in Toxicology (未定)
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[Book] Translesion DNA synthesis across mono ADP-ribosylated deoxyguanosine by Y-family DNA polymerases, in New Developments in Mutation Research2006
Author(s)
M.Kawanishi, K.Matsukawa, E.Ohashi, T.Takamura, Y.Totsuka, M.Watanabe, T.Sugimura, K.Wakabayash, F.Hanaoka, H.Ohmori, T.Yagi
Total Pages
255
Publisher
Nova Science Publishers, Inc., N.Y., U.S.A