2005 Fiscal Year Annual Research Report
活生汚泥中のPHA蓄積細菌群集の解明と廃水からの生分解性プラスチック生産への応用
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17710057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小貫 元治 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S), 特任講師 (20376594)
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Keywords | 生分解性プラスチック / ポリヒドロキシアルカン酸(PHA) / 活性汚泥 / 有価物回収 / マイクロマニピュレーション / 16SrRNA / phaC |
Research Abstract |
本研究では、活性汚泥という複合微生物系の中でPHA蓄積をおこなっている微生物を明らかにし、PHA蓄積菌もしくはPHA合成遺伝子の種類と、生成するPHAの種類との関係を明らかにすることを目的とする。これらの知見から、活性汚泥によるPHA生産のメカニズムを理解し、制御法を確立することを目指す。 初年度である本年度は、マイクロマニピュレーションを用いてPHA蓄積細菌を選別し、系統学的に特定することを目標とした。PHA染色剤であるNile blue Aを用いてPHAを蓄積している微生物を染色し、染まった微生物を顕微鏡観察下でマイクロマニピュレーションにより分取した。分取した数セルのPHA蓄積菌から、微量のゲノムDNAやリボソーマルRNAを抽出し、RT-PCR法やネステッドPCR法を駆使して増幅することに成功した。これによって、塩基配列情報を解読することができ、活性汚泥中のPHA蓄積細菌のいくつかを系統学的に同定することができた。また、当該PHA蓄積細菌のみを特異的に検出する遺伝子プローブの設計にも成功した。 上記の実験とあわせて、実験室内でPHA蓄積リアクターを運転し、PHA合成遺伝子の一つとされるphaC遺伝子の運転課程における挙動を、T-RFLP法により解析した。この結果、様々なタイプのphaC遺伝子が、リアクター運転中に増加したり減少したりすることが検出された。これにより、生成するPHAのタイプによって、異なる微生物(もしくは遺伝子)が、活動していることが示唆された。
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