2005 Fiscal Year Annual Research Report
ライスリファイナリーの構築を目指した籾殻の高温高圧水反応分離プロセス
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17710058
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
望月 和博 東京大学, 生産技術研究所, 寄付講座教員(客員助教授) (30372428)
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Keywords | バイオマス / バイオマスリファイナリー / バイオケミカルズ / バーベーパレーション / 高温高圧水反応 / 反応分離 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的である、高温高圧水反応場から直接生成物を膜分離する技術を確立するため、まずは下記の2項目の検討を重点的に行い、分離膜の選定および反応・分離条件の決定に関する基礎的な知見を集積した。 1 高温高圧の条件下で使用可能な分離膜の検索および試作 シリコン、バイトン、カプトンなどの市場で入手可能な素材をから、本研究で要求する性能を満たす製品を検索するとともに、緻密カーボン膜を試作し、基礎物性の評価およびパーベーパレーション、ベーパーパーミネーション、逆浸透による分離性能の評価を行った。本研究で目的とする有機物のひとつであるフルフラールの高温高圧水からの分離に対しては、シリコン、バイトンはフルフラールを優先的に透過させ、カプトン膜、緻密カーボン膜は水を選択的に透過させることが分かった。なお、膜寿命はそれぞれで差異があるものの、いずれの膜も200℃付近の温度で仕様は可能であった。ここで、高温高圧水から有機物を選択的に透過する膜と水を選択的に透過する膜が得られたことから、製品である有機物の濃縮と溶媒である水の除去を効果的に組み合わせたプロセスが設計可能である。 2 バイオマス由来化学物質の膜分離手法の基礎的検討 上記の膜の性能試験と並行してし、実際に籾殻やそのモデル有機物(キシロース)の高温高圧水処理で生成するフルフラールの高温高圧膜分離に関する検討を進めた。種々の条件化での実験結果より、選択性や速度データの整理・解析を行い、実験データおよび数理モデルの両面から、提案する反応分離同時操作によって、副反応を抑制して高収率な操作が可能であることを示した。
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