2005 Fiscal Year Annual Research Report
製鋼副産物を利用した循環再生型コンクリート用耐久性材料の開発
Project/Area Number |
17710067
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小泉 公志郎 日本大学, 理工学部, 助手 (10312042)
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Keywords | 脱リンスラグ / 高炉水砕スラグ / 炭酸化抑制 / 再資源化 / コンクリート用混和材料 |
Research Abstract |
本研究は,今後生成量が増えると予想されているにもかかわらず,半ば産業廃棄物化しつつある製鋼副産物(転炉スラグや脱リンスラグ等)に対して,その特性を生かした有用再資源化を行うことを目的としている。 水和活性を有し既にコンクリート用混和材料としてJIS化されている高炉水砕スラグとは異なり,脱リンスラグは活性に乏しいため,従来は埋め立て用資材という消極的な利用しかされてこなかった。しかしながらこのスラグはビーライト等の鉱物を豊富に含有するという性質から,コンクリートの炭酸化抑制材料としての可能性が期待できる。 本研究では,炭酸化による影響を受けやすいとされている「高炉セメント」の炭酸化抑制対策として,高炉水枠スラグと脱リンスラグを混合した「混合混和材料」の利用を提案するものであるが,本年度の研究では,これらのスラグの混合比を検討した。その結果,高炉水砕スラグと脱リンスラグをほぼ同量混合した「混合混和材料」を用いることで,炭酸化に対する抑制効果が最もよく発現することが確認された。今後,「混合混和材料」を実際のコンクリートに適用し,強度発現等にどの程度影響を及ぼすのか確認する必要がある。 また,本研究を遂行するにあたり,測定データの迅速な収集を目的として,パソコンによるデータ処理システムを導入した。また,スラグを構成する各鉱物の定量を迅速化するために,粉末X線回折データのリードベルト解析用ソフトウェア「TOPAS」についても予定通り導入を行った。 一方,スラグは製鋼時に副産されるため,僅かながら様々な重金属が混入することが予想されるが,重金属がセメントの水和に及ぼす影響について検討した結果,その種類によってはセメントの水和反応に大きな影響を及ぼすことが確認された。この結果は本年度発行の「セメント・コンクート論文集」にて報告を行った。
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Research Products
(1 results)