2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境同位体を用いた地下有機溶媒汚染モニタリング技術の開発
Project/Area Number |
17710069
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Research Institution | National Institute for Rural Engineering |
Principal Investigator |
土原 健雄 独立行政法人農業工学研究所, 地域資源部, 研究員 (30399365)
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Keywords | 地下水 / 環境同位体 / 有機溶媒汚染 / ラドン(^<222>Rn) / PITT |
Research Abstract |
地下水中の難水溶性溶液(NAPL, Non-Aqueous Phase Liquid)の汚染範囲,漏洩量の推定手法を開発するために,環境同位体を用いたモニタリング手法の開発を行う.推定手法としては,分配トレーサーと非分配トレーサーのNAPLへの分配の遅延を利用したPITT(Partitioning Interwell Tracer Test)法を採用した.本研究では,NAPLとして土壌や地下水の汚染問題の対象となるトリクロロエチレン(TCE),分配トレーサーとして地下水中に元来存在する環境同位体である^<222>Rnを用いた.今年度は,^<222>RnのNAPLへの分配度を示す分配係数の決定及び実際にPITTを行うための透水試験装置の作成を行った. ^<222>Rnの分配係数を決定するに際し,原位置における採水及び^<222>Rn濃度測定を行い,^<222>Rn濃度の高い地下水を準備する.採水した高濃度の^<222>Rnを含む地下水とTCEを茶褐色ガラスボトルに封入して静置した後,水溶液部分のみ取り出し,^<222>Rnの溶媒抽出を行い,液体シンチレーションカウンタにより^<222>Rn濃度の測定を行った.試験では,^<222>Rn濃度が異なる3種類の地下水にTCEを加え,それぞれ1〜7日静置し,分配が平衡に達した濃度をもって分配係数を決定した. PITTを行うための透水試験装置の実験配水システムの構築を行った,試験機は,現在当研究所で保有する透水試験機を改修して用い,新たな水平カラムの設置,圧力式自記流量計の設置,定期自動採水システムの構築等を行った.次年度は本試験機を用い,PITTを行う.
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