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2006 Fiscal Year Annual Research Report

量子セルオートマトンの概念を応用した開放系内部の電子運動シミュレーション

Research Project

Project/Area Number 17710075
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

鎌倉 良成  大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (70294022)

Keywords量子コンピュータ / 格子気体法 / セルオートマトン / MOSFET / トンネル効果 / シミュレーション / 時間依存シュレーディンガー方程式 / プラズマ振動
Research Abstract

本研究にて開発した量子格子気体法に基づく時間依存Schrodinger方程式ソルバを利用し、チャネル長が10nmの極微細MOSFET内部の電子波伝播特性を探った。ポテンシャル障壁の高さが時間的に揺らいでいる場合のトンネル効果の解析を調べるため、解析の対象としてMOSチャネルを模したn-i-nダイオードを選び、そのソースードレイン間トンネル電流を調査した。ポテンシャル障壁高さが周波数νで揺らいでいる場合、入射波がhνの整数倍のエネルギーを吸収または放出することで透過係数は変調される。また入射波が障壁をトンネルするのに要する時間をτとするとνが2π/τと同程度のオーダーの時、透過係数が著しく変化することが分かった。ポテンシャル揺らぎの周期がトンネル時間に対して十分に大きい場合、入射波は自身がトンネルする際のポテンシャル障壁を静的なものとして感じ、透過係数はある瞬間における静的ポテンシャル障壁に対する透過係数の平均値として与えられる。逆に、ポテンシャル揺らぎの周期がトンネル時間に対して十分に小さい場合には、入射波は障壁をトンネルする際、時間的に平均化されたポテンシャル障壁を感じ、透過係数はポテンシャル揺らぎがない場合のものと一致する。実際の極微細素子内における時間的なポテンシャル揺らぎの例として、電子-電子間のCoulomb相互作用の長距離成分に起因するプラズマ振動を想定し、その影響を検討した。この場合、νが10^<14>Hzの領域で振幅100meV程度の電位揺らぎが生じると考えられている。チャネル長10nmのソース・ドレイントンネル電流に対してはトンネル時間が10^<-14>sec程度であり上記のプラズマ振動の周期とほぼ一致していることから、バイアス電圧が小さい領域において静的な場合と比ベトンネル電流が増大する結果が得られた。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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