2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化中空形成法に基づく重付加反応を利用した中空高分子微粒子創製法の開発
Project/Area Number |
17710076
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 秀人 神戸大学, 工学部, 助教授 (20283872)
|
Keywords | 自己組織化 / 中空構造 / 高分子微粒子 / カプセル / エポキシ樹脂 / イソシアナート / 相分離 / 界面 |
Research Abstract |
当研究室では自己組織化中空形成法と呼称する独自の方法を開発し,さらに,TLOひょうごより特許(特開2002-80503, PCT/JP02/01910)を出願している。これまでにビニルモノマーによる中空粒子の生成機構の検討の過程において,反応により生成するポリマーの滴内での相分離及び界面への自己組織化が中空構造形成に重要であるという大変興味深い結果を得ているが,ビニルモノマーのみによる検討であった。本研究では,非ビニルモノマー(エポキシ樹脂やイソシアネートなど)の重付加反応系に適用を試みることにより,従来の界面重縮合系の反応機構とは異なる相分離を利用した自己組織化現象による機構を詳細に解明することを目的とした。具体的にはビニルモノマーにおいて明らかにしているミクロンサイズのモノマー滴内における生成ポリマーの相分離現象と界面への拡散,吸着挙動について,非ビニルモノマーであるエポキシ樹脂やイソシアネート系での重付加反応において比較検討するため濁度計により反応進行に伴う反応系の相分離状態を解析し,界面張力の測定により生成ポリマーの吸着性を評価した。その結果,エポキシ樹脂系においては,これまでのビニルモノマーの検討と同じように滴内に異種ポリマーを存在させることにより,相分離が早くなっており,実際,異種ポリマーを存在させないと中空粒子が得られないことを確認した。さらに,界面張力の結果より,生成したポリマーが界面張力を低下させ,界面へ自己組織化しやすいことも明らかにした。このことは,これまで提起しているビニルモノマーの自己組織化中空形成法の機構を支持する結果であり,ビニルモノマー系だけでなく,非ビニルモノマー系へ拡大できることを明らかにすることができた。
|