2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ鋳型を用いた金属ナノ粒子の形状制御に関する研究
Project/Area Number |
17710078
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松根 英樹 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (10380586)
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Keywords | ナノ粒子 / コア-シェル粒子 / ナノ材料 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
形状を制御したナノ鋳型の作製を行うために,以下の3つの検討内容を順次解決していく形で研究を進めた。(1)金属ナノ粒子の表面を無機酸化物で均一に被覆したコア-シェル型の粒子を作製する手法を検討した。その結果,逆ミセル法を利用することで均一な被覆粒子を作製できることが分かった。ノニオン性の界面活性剤を用いて逆ミセルを形成させ,次に金属ナノ粒子,続いて金属アルコキシドを順に加えることで,無機酸化物被覆金属ナノ粒子を作製した。逆ミセル中の含水率により得られる粒子の形状が様々に変わることが分かった。結果として,含水率が23の時,単一で分散するコア-シェル型のナノ粒子を得ることができた。一方で,含水率を増やすとロッド状のネットワーク構造体となることが分かった.(2)無機酸化物被覆ナノ粒子を「引き上げ法」により基板に固定化する検討を行った。アルコールなどの溶媒に分散させ,ガラス基板やシリコン基板を用いて表面への固定化を検討した。引き上げ速度や溶媒,温度などの条件を検討した結果,2-プロパノールを溶媒に用いて無機酸化物被覆金属ナノ粒子を最密充填で2次元に固定化することができた.(3)基板に固定化した無機酸化物被覆金属ナノ粒子の表面層を削り,鋳型の金属ナノ粒子を除去する検討を行った。アルゴン銃を用いた気相エッチングを試みた。X線光電子分光装置(XPS)および走査型電子顕微鏡(SEM)を併用しながら進めた。XPSのアルゴン銃を用いて表面層をエッチングしながら,化学組成を分析することですることで,表面層だけを削る時間を検討した。その結果,アルゴン銃の設定を2kV,10mA,600秒間でエッチングすることで表面層だけ削ることができることが分かった。以上のようにして,ナノの細孔を有する鋳型基板を作製する手法を見出した。
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