2005 Fiscal Year Annual Research Report
銅アセチリド分子の自己組織化を用いたナノワイヤー合成法の確立と応用展開
Project/Area Number |
17710080
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
十代 健 分子科学研究所, 電子構造研究系, 助手 (60317302)
|
Keywords | ナノワイヤー / 自己組織化 / 銅アセチリド / クラスター |
Research Abstract |
本年度は銅アセチリドナノワイヤーの合成方法の最適化を主に行なった。本研究課題の合成方法は、塩化銅のアンモニア水溶液にアセチレンガスを吹き付けるだけの非常に単純なものであるが、様々な反応条件で合成を行なうことにより、アセチレンの導入速度が非常に重要であることを見出した。アセチレンガスを通常の濃度および速度で反応溶液に導入するとアモルファス状の生成物しか得られないのに対して、1%程度に薄めたアセチレンガスを5mL/minと非常にゆっくりと導入すると銅アセチリドナノワイヤーを得ることができる。これは、銅アセチリド分子がナノワイヤーへと自己集合していく際に、十分な結晶成長時間が必要なためだと考えられる。本研究費は、これらの反応条件を試行錯誤する段階で、超音波洗浄器や真空デシケータ、ホットスターラー(加熱可能な攪拌器)などの小額備品(消耗品扱い)を購入するのに利用した。 非常に簡便な方法でナノワイヤー構造物を得る条件を見出したので、分子構造総合討論会(東京都9月)および2005環太平洋国際化学会議(米国ホノルル12月)で口頭発表を行なった。旅費として本研究費を使用し、会議に参加・発表を行なった。これらの会議では様々な研究者から高評を頂き、また、様々な議論を行なうことで今後の課題や問題点を見出し、さらに共同研究等に発展していく可能性を感じたものであった。従って、会議での発表は非常に有意義なものであったと言える。
|