2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ空間幾何学構造と同位体吸着における量子分子篩効果
Project/Area Number |
17710091
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 秀樹 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80376368)
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Keywords | ナノ材料 / 反応・分離工学 / 吸着 / 量子効果 / シミュレーション |
Research Abstract |
現在までに申請者は、ミクロ細孔性アルミノフォスフェイト(AlPO_4-5)へのNe吸着等温線を27〜33Kの温度範囲において測定した。同時に、Feynman-Hibbsの有効ポテンシャルを適用したグランドカノニカルモンテカルロ(FH-GCMC)シミュレーションによってNe吸着等温線を計算したところ、実験結果と良い一致が得られ、シミュレーションに用いたAlPO_4-5モデルが適切であることを確認した。さらに、AlPO_4-5への水素同位体(H_2,D_2)の吸着等温線を40〜77Kの温度範囲において測定し、AlPO_4-5が重水素分離能(吸着平衡分離)を持つことを明らかにした。同時に、FH-GCMCシミュレーションとそれら実験結果が良い一致を示したことから、AlPO_4-5の重水素分離能がナノ細孔空間への分子吸着における量子効果によるものであることを確認した。また、古典水素と量子水素では、AlPO_4-5の細孔内における分子構造が明らかに異なることが見出された(温度40K)。以上の結果については、現在、投稿準備中である。この他には、有機-無機複合錯体への水素同位体(H_2,D_2)の吸着等温線測定(77K)と、そのFH-GCMCシミュレーションによる比較検討、および単層カーボンナノチューブによる重水素分離能のFH-GCMCシミュレーションによる予測等を進めている。特にFH-GCMCシミュレーションによると、単層カーボンナノチューブの重水素分離能はかなり高く、このため実験による重水素分離能の確認を行う予定である。
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Research Products
(3 results)