2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17710096
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
林 卓哉 信州大学, 工学部, 助教授 (80313831)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 二層カーボンナノチューブ / 高純度化 / ボロン添加 / 電気的特性 |
Research Abstract |
初年度は現有のCVDチューブ生成装置を用いて二層カーボンナノチューブの生成を行い、得られたチューブの精製を既存の設備を用いて行って高純度の二層ナノチューブ試料を得る事を試みた。その結果、炭素源として用いる炭化水素ガス、コンディショニング触媒、そして触媒担持用酸化マグネシウム粉体の条件を厳密に制御する事で、精製工程に持って行きやすい状態の試料を得る事に成功した。これらの試料を硝酸処理、超音波分散、酸化の過程を繰り返す事で高純度の二層ナノチューブ試料を得る事に成功した。高純度化された二層チューブをTEM、SEM,ラマンを用いて分析した結果、構造の欠陥が少なく、良好なバンドル構造を有している事が明らかになった。この事から我々の利用した精製プロセスが二層ナノチューブの精製に有効である事が確認された。 得られた高純度DWCNTへのボロンドーピングを試みた。燃焼管内でDWCNTとボロン含有試薬を加熱し、ドーピングを行った。この際に、DWCNTと試薬の混合比率を変化させ、DWCNTへのボロンドープ量の調整を試みた。得られたボロンドープサンプルに対して現有設備のSEM(JEOL JEM-6335FS)を用いてマクロな構造を観察し、現有設備のRaman分光分析装置(Kaiser HoloLab 5000 system)を用いて、二層チューブのG,Dピークから結晶性を判断し、Breathingモードからチューブの直径を求め、未ドープ試料からの各ピークの変化から、ドーピングの影響を探った。これによりグラファイトや多層ナノチューブの場合と同様にドープ量はせいぜい2%程度である事が分かった。これらに関してマクロな電気伝導特性を測定した。
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Research Products
(4 results)