2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17710116
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 直也 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助手 (10380734)
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Keywords | ピラミッドバンプ / 円錐バンプ / 形態機能 / 常温接合 / 3次元実装 / 3次元集積回路 |
Research Abstract |
本年度は、半導体チップ同士を"常温"で電極接合することを目的として、電極を先鋭形状にしてその形態機能(変形挙動)を利用することで、チップ間の電極接合工程の低温化ができるどうかを検討した。電極を先鋭形状にした理由は、"電極接合は、電極表面に存在する酸化膜・吸着膜を除去した清浄な表面同士であれば常温下でも可能"という論文報告に基づき、先鋭形状にすれば接続時に酸化膜・吸着膜の除去するような塑性変形が生じると考えたからである。 実験手順としては、(1)先鋭電極の形成、(2)低温電極接合した際の接合強度の調査、の2段階で行った。まず、ピラミッドバンプと円錐バンプを、先鋭形状の電極として形成した。ピラミッドバンプは転写法(逆ピラミッド状の鋳型に電極材料のAuを充填し、それをLSIチップに転写する)、円錐バンプには、逆テーパーレジスト法(特殊なフォトリソグラフィーで逆テーパー形状のレジストをウエハに成形し、それをマスクにAuの電極めっきを行う)で形成した。これらの先鋭電極を低温で電極形成したところ、通常の直方体形状の電極に比べて、接合強度が増加して、実効的な接合温度を300℃から150℃まで低温化できた。しかしながら、接合温度を常温まで低下させると、接合はできなかった。これは、バンプの変形量が、接合温度の低温化に伴って小さくなり、バンプの変形だけでは酸化膜・吸着膜を除去しきらないためと考えられる。これは、今後の検討課題である。 なお、今回開発した先鋭電極は、上記の効果だけでなく、"電極の高さばらつき"や"加圧不均一性"にともなう接合不良を抑制する効果、チップに残留するひずみを低減してLSIの特性変動を抑制する効果をも併せ持つことも確認している。
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