2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノ加工技術と炭化技術の融合によるパイロポリマー超微細構造創製
Project/Area Number |
17710119
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50288627)
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Keywords | パイロポリマー / 超微細構造 / 炭化 / MEMS / 半導体特性 / ガスセンサ / 冷陰極子 |
Research Abstract |
今年度は、パイロポリマー超微細構造実現手法の確立に関する研究を推進した。具体的には有機原材料および炭化プロセスに関する検討と知見の確立、パイロポリマーに関する基礎特性評価、有機微細構造の形成技術に関する検討と技術の確立、炭化処理による構造の収縮効果の検証に取り組んだ。MEMS分野の有機材料として多用されているポリパラキシリレン(通称パリレン)、紫外線感光レジスト、電子線描画用レジスト、ポリイミド等の有機薄膜に対して、各種炭化条件下でパイロポリマー薄膜を形成し、炭化に関する基本事項(原材料、温度、雰囲気等)について評価、比較検討を行った。MEMS技術との整合性の観点から炭化処理温度は1000度以下とした。ヨウ素ドーピングによる炭化処理温度の低温化に取り組んでいるが、コークスなどでみられる効果はまだみられておらず継続検討中である。基礎特性評価については、特に電気特性について基礎評価を行い、半導体的な特性が得られた。また原材料によって半導体特性の型が異なることなどの結果も得られた。これらの結果は、さらに検証する必要はあるが、今後機能創製に生かせるものとして期待している。さらに、原材料を予め微細加工するマイクロ・ナノ加工技術に関する検討に取り組み、ガス(NO_2)センサとしての可能性評価や冷陰極子用の針構造の皮膜としての評価などを進め、次年度への足掛かりとした。パイロポリマーは、カーボン材料が有するガス吸着材料として特徴をもっており、マイクロガスセンサの吸着材料としても有望である。また、半導体特性の評価結果からもキャリア密度が大きいという評価結果が得られており、二電極構造による冷陰極子としての特性に関する基礎評価においてもその特徴を確認することができた。次年度はこれらの成果をもとに機能創製に取り組んでいきたい。
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