2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化による繊維状微粒子集積体の構築とその光通信デバイスへの応用
Project/Area Number |
17710121
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
澤田石 哲郎 独立行政法人理化学研究所, 散逸階層構造研究チーム, 研究員 (50333331)
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Keywords | 自己組織化 / 散逸構造 / ナノ粒子 / 光ファイバ / 自己支持性薄膜 |
Research Abstract |
前年度までに本研究プロジェクトにおいて、自己組織化により形成される三次元微粒子集積体の作製とその制御について調べてきた。形成された微粒子集積体を光材料として用いる場合、その形状・大きさ・強度を制御する必要がある。そこで形状・大きさの制御に関して、引き続き様々な条件により検討を行ってきた。特に粒径・引き上げ速度・分散液の濃度により細かな制御が可能であることが示された。これらの構造は主として初期に形成される微粒子膜の厚みに起因するものであることが分かった。さらに強度に関しては、微粒子分散液にゲル化能を有する高分子を添加することで改善することができた。 形成された集積体表面にミクロンサイズの細長いディンプル構造があることも明らかとなった。この構造は、固体基板上でこの集積体が形成される際の基板と接する側には形成されなかった。ディンプル構造は溶媒が蒸発する集積体表面において新たなクラックが生じる際の核となる部分ではないかと見られる。この構造に関しても制御可能であるならば、階層構造を有する三次元微粒子集積体の形成ができることが期待される。 これらの集積体を焼結することにより、ランダム構造を有する自己組織化による新規な光材料への応用が期待される。現在焼結後の光物性についても調べている。 本研究プロジェクトにおいて使用された微粒子集積体作製方法は、微粒子分散液を固体基板に塗布するという極めて簡便な方法であり、様々な作製条件を検討することで新規な構造を持つ二次元微粒子集積体を形成させることができた。例えば相分離構造を利用した二成分からなる微粒子のパターンやフラクタル構造を有する微粒子パターンなどである。これらの研究結果についても早期に報告する予定である。
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