災害時地域支援を想定した小規模自立無線ネットワークの信頼性の研究

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17710140
• Research Institution: Takasaki City University of Economics
• Principal Investigator: 高橋 美佐 高崎経済大学, 地域政策学部, 講師 (60363777)
• Keywords: 移動体通信 / アドホックネットワーク / 性能評価 / 確率モデル

Research Abstract

本研究は,集落のような限られた領域内の利用を想定した小規模自立無線通信システムを対象に端末接続の確実性という側面からの性能評価を目的としている。このような無線通信システムでは,基地局のような特定のアクセスポイントやインフラストラクチャを必要としないため柔軟性やコスト的な面で優れている反面,その構造上端末の移動によりネットワークトポロジーが動的に変化し,領域内の端末数や分布の様子,各端末の通信可能範囲や移動速度などが任意の端末同士が通信できる確率(接続可能確率)に大きく影響を及ぼす。
本年度は2年計画の初年度である。そこでまず最も単純な場合について検討し,次年度への準備とした。具体的には,道路上に形成されるネットワークを想定した一方向に等速で歩く歩行者によって構成されるネットワークを考え,性能評価指標である接続可能確率や接続可能持続時間分布,接続不能持続時間分布について解析的に求めると同時にシミュレーション実験によってそれぞれの分布の様子を確認した。さらに,直線のネットワーク領域が無限に延伸される場合について,再生理論により接続可能時間分布および接続不能時間分布の漸近的ふるまいを検討した。