2006 Fiscal Year Annual Research Report
革新的な製品市場に適用する製品開発戦略に関する研究
Project/Area Number |
17710143
|
Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
石岡 賢 石巻専修大学, 経営学部, 助教授 (70326734)
|
Keywords | テクノロジーマネジメント / 製品開発 / イノベーション / マーケティング / 経営戦略 / マーケティング戦略 / 製品戦略 / 新製品 |
Research Abstract |
テクノロジー・イノベーションと市場情報の両方を視野に入れた戦略的な製品開発を行うための製品開発戦略概念の構築を研究の目的としている。平成18年度では、これらを達成するための競争ファクターの提示とそれらのレビュー、現在の市場状況に適合した形での戦略概念モデルの提示、そして、ケーススタディとしてこれまでも取り扱っているデジタルカメラ市場に対する戦略適用について考察した。はじめに、"競争ファクター"の提示を行った。昨年の結果を再考察する形で研究を進めたが、結果として、以前すでに提示しているファクターは的確であると判断した。つまり、市場投入された製品が顧客によって、それらが革新的製品であると認識されるためには3つのファクター(1.製品の性能と機能、2.新製品を投入する速度、3.他の競合製品に対する影響)が関係しており、顧客はこれらのファクターによって商品の革新性を評価しているのである。つまり、これらを製品開発に取り込むことにより、競争優位の得られる新製品の市場投入が可能となる。18年度のもうひとつの主要な研究成果のひとつとして、「競争ファクターの測定方法の改良」が挙げられる。実際のマネジメントツールとして利用するためには、動態的な戦略の立案が重要である。17年度の戦略立案と戦略ファクターの分析には静態的なファクター分析を行っていたが、これらの分析結果に対し、新たに3年と5年の観測期間を設定し、各ファクターがどのように変化するのか、そしてそれらと実際の商品売上成績との関連を調査・分析した。ケーススタディとしてデジタルカメラの国内市場を選定し、この市場に対する戦略概念の適用を行った。そして、デジタルカメラの市場においてマーケットシェアの増大を狙うには、速い"新製品の投入速度"と"他の競合製品に対する影響"を強くする必要がある、ということが明らかになった。そして、両方のファクターのうち、どちらか一方が弱い場合では、シェアの増大は困難であるという分析結果が得られた。
|