2005 Fiscal Year Annual Research Report
ライフライン供給停止による発生要因別被害波及構造の解明とその定量化手法の開発
Project/Area Number |
17710150
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
梶谷 義雄 (財)電力中央研究所, 地球工学研究所, 主任研究員 (80371441)
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Keywords | ライフライン防災 / 社会経済影響 / リスク分析 |
Research Abstract |
近年において災害による大きな被害が発生した地域を対象に,供給系ライフライン(電力,水道,ガス)の途絶期間や途絶地区に関する情報収集を行った.ついで,途絶期間の長さや災害種別の違いを考慮し,平成16年に地震災害を受けた新潟県,平成17年に豪雨災害を受けた宮崎県を調査対象エリアとした.両地域において,被害報告書の収集やライフライン途絶経験のある産業へのヒアリングを実施し,供給系ライフライン途絶による被害影響の波及過程を示すイベントツリーを作成した.また,定量的な分析に発展させるために,当該地域における人口・経済データベースを作成し,次年度実施予定の家計や企業を対象としたライフライン途絶の被害影響に関するアンケート調査の基礎設計を行った. 対象地域におけるデータベースの作成や調査の設計と並行し,ヒアリング調査の結果や作成したイベントツリーに基づき,経済被害波及構造を分析するための基礎となる経済モデルの検討を行った,供給系ライフラインの途絶影響を経済モデルに反映させる方式としてはライフライン途絶抵抗係数(ライフライン途絶時における産業の生産能力を示す指標)などが提案されており,これら既往研究の整理を行った.一方,ヒアリング調査の結果から,供給系ライフラインの途絶と同様に道路の途絶や混雑による操業率への影響が大きいという結果が得られており,道路ネットワーク途絶の影響を考慮するために,迂回ルートの選択などの災害時における各事業所の行動仮説を組み込んだモデルの作成を行った.これにより,供給系ライフライン途絶による生産能力低下と交通途絶による取引費用増加の相互作用を分析することが可能となった.
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Research Products
(1 results)