2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17710151
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鴨川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (00329111)
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Keywords | 地震 / 大気圏擾乱 / VHF帯電磁波 |
Research Abstract |
現在の地震学の測定方法では、本震前に日オーダーで前兆的な変動は地表面上で見えないといわれている。しかし本研究開始前において、我々は地震前には大気が擾乱していることを疫学での因果論を厳格に適応させ統計的に示した(Fujiwara and Kamogawa et al.,Geophys.Res.Lett.,2004)。そこで本研究ではこれらのメカニズムの解明へ向けた観測研究を試みている。まずはどのような大気圏擾乱なのか、またそれらは震央の付近のみで生じているのか?などを調べる研究を行った。我々の現在の観測ではVHF帯電磁波の異常伝播観測を用いて大気圏擾乱(偏波の測定から擾乱圏域を決定)を検出している。そして、現在までの得られた結果は、地震5日前以内に大気圏に擾乱が現れる、より大きな地震の前には、より高い率で大気圏擾乱が観測されている。17年度は過去取得されたこれらのデータをより詳しく統計解析した。その結果、やはり擾乱は地震の震央のそばに生じている可能性が高いことがわかった。また、これらの大気圏擾乱の発生位置をより正確につかむためにVHF帯干渉計を開発し、これらの装置のパフォーマンスを調べ過去の研究によって得られた大気圏擾乱の位置測定ができる感度まで機器の性能を上げた。さらに、これらの観測において用いている電磁波の信号受信強度は極めて微弱でありまた目的としている信号以外を取得してしまうこともあるが、本年度においてこれらを分別する信号解析の手法を開発した。一方、他の観測地点でも同様な結果が得られるかどうか調べるため地震活動度が極めて高い台湾に観測地点を設置し、詳細な観測を行った。1ヶ月の短期間でも過去の研究と同様な結果が見られた。
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