2006 Fiscal Year Annual Research Report
9員環エンジイン抗腫瘍性抗生物質の全合成と分子認識機構の解明
Project/Area Number |
17710176
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小林 正治 大阪府立大学, 理学系研究科, 助手 (30374903)
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Keywords | ネオカルジノスタチン / マデュロペプチン / フッ化糖 / クロモフォア / 9員環エンジイン / アミノグリコシド / グリコシル化 / 全合成 |
Research Abstract |
スマンクスとして肝癌治療に使用されているネオカルジノスタチンは、活性本体である低分子クロモフォアとアミノ酸113残基からなるアポタンパク質との1対1複合体である。前年にネオカルジノスタチンクロモフォアのアグリコンの合成に成功したので、本年は全合成を検討した。 ネオカルジノスタチンクロモフォアの全合成に向けて最も困難な課題は、2-メチルアミノ糖のアグリコンヘの立体選択的な導入である。アグリコンは光や熱、酸塩基性条件に非常に不安定であるため、穏和で官能基選択的なグリコシル化条件の開発が必要であった。本研究では、反応性の高いグリコシド供与体であるフッ化糖を用いたグリコシル化を検討した。 テトラアセチルフコースを原料として、1-フルオロ-2-メチルアミノ糖の合成を検討したが、最終生成物の精製過程で化合物の分解が起こり、目的とするグリコシド供与体を得ることができなかった。粗生成物のNMR解析ではフッ化糖の形成が確認できたことから、1-フルオロ-2-メチルアミノ糖固有の不安定性が原因であることがわかった。 一方で、安定な1-フルオロー2-アジド糖を用いたグリコシル化も検討し、モデル基質を用いた場合ではあるが、日的とするβ-グリコシドを優先的に得る手法を見出した。しかしながら、2-アジド糖から2-メチルアミノ糖への変換が困難であったため、本手法を全合成に応用することはできなかった。 また、縮環系エンジイン抗生物質マヂュロペプチンクロモフォアの全合成に向けて、エキソエンジイン骨格の構築を検討した。(α-ハロエポキシドの開環反応によりエキソエンジインを合成しようとしたが、共役エンジインが生成し、日的物を得ることはできなかった。種々検討した結果、SmI_2を用いたジメシレートのオレフィン化反応によって、エキソエンジイン骨格が得られることがわかった。
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